こんにちは。産婦人科SIOクリニック 院長の塩谷 茉智子です。
「スピロノラクトンを試したいけれど、そもそもどこで買えるの?」「通販で安く手に入るなら、それでもいいのでは?」——オンライン診療でよくいただくご質問です。
結論からお伝えすると、スピロノラクトンは薬局やドラッグストアで購入することはできません。医師の診察と処方が必要な「処方箋医薬品」です。
本日は、入手方法として何ができて何が危険なのか、そして実際に処方されるお薬そのもの——先発医薬品「アルダクトンA」とジェネリック、そして25mg/50mgという錠剤の規格について、産婦人科専門医の立場から整理します。
作用機序と安全性についてのコラムはこちら >
スピロノラクトンは市販・通販では購入できません
スピロノラクトンは「処方箋医薬品」に指定されており、医師の処方箋がなければ受け取ることができません。効果が期待できる一方で、後述する高カリウム血症などのリスク管理が必要なためです。
| 入手方法 | 可否 | 補足 |
|---|---|---|
| ドラッグストア・薬局で市販薬として | 不可 | 市販薬(OTC医薬品)としての販売はありません。 |
| 通販サイト(Amazon・楽天など) | 不可 | 国内の通販で医療用医薬品を販売することはできません。 |
| 医療機関を受診し、処方箋を受け取る | 可能 | 処方箋を調剤薬局に持参して受け取ります。 |
| オンライン診療で処方を受ける | 可能 | 当院では診察のうえ、ご自宅へ配送しています。 |
| 海外からの個人輸入・輸入代行 | 非推奨 | 自己使用に限り法的には可能ですが、医学的には強くおすすめしません。 |
「個人輸入」をおすすめしない3つの理由
検索すると「スピロノラクトン 通販」「個人輸入」といった情報が出てきます。価格だけを見れば安く感じるかもしれません。ただ、医師としてこれを患者様におすすめすることはできません。理由は3つあります。
1. 中身が本物である保証がありません
個人輸入される医薬品には、有効成分が入っていない偽造品や、表示と実際の含有量が異なるものが混在していることが世界的に報告されています。国内の流通ルートを経ていないお薬は、品質を誰も保証していません。当院では国内の医薬品卸業者から正規品のみを仕入れています。
2. 副作用が起きても、公的な救済制度の対象外です
国内には「医薬品副作用被害救済制度」があり、適正に使用した医薬品で健康被害が生じた場合に給付を受けられる仕組みがあります。しかし個人輸入した医薬品は、この制度の対象になりません。入院が必要になるような副作用が起きた場合、すべて自己負担・自己責任となります。
3. 血液検査をせずに、高カリウム血症のリスクを抱えることになります
スピロノラクトンで最も注意すべき副作用は「高カリウム血症」です。自覚症状が出にくく、進行すると不整脈につながることがあるため、血液検査による定期的な確認が欠かせません。個人輸入では、この検査も、腎機能や併用薬のチェックも行われません。安さと引き換えに手放しているのは、安全性の確認そのものです。
医師からのお願い
すでに個人輸入で服用中の方も、責めるつもりはまったくありません。ただ一度、血液検査だけでも受けてください。カリウム値と腎機能を確認したうえで、続けるか切り替えるかを一緒に考えましょう。
先発医薬品「アルダクトンA」とジェネリックはどう違う?
「スピロノラクトン」は有効成分の名前(一般名)です。この成分を含む先発医薬品が「アルダクトンA錠」で、同じ成分で後から発売されたものが後発医薬品(ジェネリック)にあたります。ジェネリックは「スピロノラクトン錠25mg『メーカー名』」といった商品名で流通しています。
| 先発医薬品 | ジェネリック | |
|---|---|---|
| 代表的な名称 | アルダクトンA錠 | スピロノラクトン錠 |
| 有効成分 | スピロノラクトン(同一・同量) | |
| 主な規格 | 25mg/50mg | |
| 添加物・錠剤の大きさ | 製品ごとに異なることがあります | |
| 価格 | 比較的高い | 抑えられる |
有効成分とその量は同一で、国が定めた試験で先発品と同等であることが確認されています。異なるのは添加物や錠剤の形状、そして価格です。当院では、継続しやすさを重視してジェネリック医薬品を採用しています。ニキビ治療は数か月単位で続けるものなので、お薬代の差は決して小さくありません。
錠剤の規格(25mg・50mg)と、当院の用量の考え方
「スピロノラクトン 25mg」で調べてこられる方が多くいらっしゃいます。ここで一点、誤解の多いところをお伝えします。25mgというのは「1回に飲む量」ではなく、錠剤1粒に含まれる有効成分の量(規格)です。
スピロノラクトンの錠剤には主に25mgと50mgの2種類があり、この錠剤を組み合わせて1日の服用量を決めていきます。
当院の用量
当院では、ニキビ治療に必要な効果を得るため1日150mgを基本として開始し、効果の現れ方や副作用の様子、血液検査の結果を見ながら増減していきます。150mgは25mg錠であれば6錠、50mg錠であれば3錠にあたります。
ただし、いきなり多めの量を飲むことに不安のある方には、ご希望に応じて25mgや50mgといった少ない量から始めることもできます。ご自身が納得できるペースを、遠慮なく診察のなかでお伝えください。
服用量が多いほど皮脂を抑える働きは強くなりますが、同時に高カリウム血症や生理不順、乳房の張りといった副作用も出やすくなります。効果と安全性のバランスをとるために、血液検査での確認と診察での調整が欠かせません。この量を医師の管理なしに個人輸入で飲むことが、いかに危険かをご想像いただけると思います。
なお、皮脂の分泌が落ち着き、新しいニキビができにくくなったと実感されるまでには、早い方で1か月、一般的には2〜3か月ほどかかります。1〜2週間で変化がないからと自己判断で量を変えたり中止したりせず、診察のなかでご相談ください。
原因から知りたい方はこちら >
正規に処方を受けるまでの流れ
診察を予約する
オンライン診療(365日 21:30〜24:00)か、対面診療(土日祝 10:00〜17:00)をお選びいただけます。
医師の診察を受ける
お肌の状態に加えて、生理周期、持病、併用しているお薬、妊娠の可能性などを確認します。ここが産婦人科でご相談いただく意味のある部分です。
血液検査でカリウム値・腎機能を確認する
安全に続けるために必要な検査です。他院での直近の検査結果をお持ちの場合は、ご提出いただくことで当院での検査を省略できることがあります。
お薬を受け取る
オンライン診療の場合はご自宅へ配送します。服用開始後も、体調の変化があればいつでもご相談ください。
お薬の料金・オンライン診療の流れはこちら >
1か月分のお薬代、血液検査費用、総額シミュレーションをご確認いただけます。
医療広告ガイドラインに基づく表示
| 治療の内容 | スピロノラクトン(内服薬)。抗男性ホルモン作用により、過剰な皮脂分泌を抑制しニキビの改善を図ります。 |
|---|---|
| 未承認薬である旨 | 本剤は高血圧症、各種浮腫、原発性アルドステロン症などの効能で国内承認されていますが、ニキビ治療を目的とした使用は国内で承認されていません(適応外使用)。 |
| 入手経路 | 国内の医薬品卸業者より正規品を入手しています。個人輸入品は使用していません。 |
| 主なリスク・副作用 | 高カリウム血症、生理不順、不正出血、乳房の張り・痛み、頻尿、口の渇き、めまい など。リスク管理のため定期的な血液検査が必須です。 |
| 服用できない方 | 妊娠中・妊娠の可能性のある方・授乳中の方、無尿または重篤な腎機能障害のある方、高カリウム血症の方 など。服用中および服用終了後1か月は確実な避妊が必要です。 |
よくあるご質問
スピロノラクトンは薬局やドラッグストアで買えますか?
いいえ。処方箋医薬品のため、市販薬としての販売はありません。医師の診察を受けて処方を受ける必要があります。
先発品のアルダクトンAとジェネリックで、効き目は変わりますか?
有効成分と含有量は同一で、先発品と同等であることが試験で確認されています。異なるのは添加物や錠剤の形状、価格です。当院ではジェネリックを採用しています。
個人輸入したスピロノラクトンで副作用が出た場合、救済制度は使えますか?
使えません。医薬品副作用被害救済制度は個人輸入した医薬品を対象外としています。医療機関を通じた処方をおすすめする理由のひとつです。
何mgから飲み始めることになりますか?
当院では1日150mgを基本として開始し、効果の現れ方や副作用、血液検査の結果を見ながら増減します。ご希望があれば25mgや50mgといった少ない量から始めることも可能ですので、診察の際にお伝えください。25mgと50mgは錠剤1粒あたりの規格で、これを組み合わせて服用量を調整します。自己判断での増減は避けてください。
ニキビ治療で処方を受ける場合、健康保険は使えますか?
使えません。ニキビ・美容目的での使用は適応外のため、自由診療(自費)となります。費用は診療案内ページに掲載しています。
安く手に入れることより、安全に続けられることを
スピロノラクトンは、正しく使えば長年のニキビの悩みを変えていける可能性のあるお薬です。だからこそ、入り口を間違えてほしくないと思っています。価格差の数千円と引き換えに失うのは、品質の保証と、副作用が起きたときの後ろ盾です。
当院では日本産科婦人科学会・日本専門医機構認定の産婦人科専門医が、生理周期や体調も含めて全身を診たうえで処方しています。低用量ピルとの併用や、外用薬との組み合わせも含めてご提案できます。まずは一度、ご相談ください。
スマホで簡単!オンライン診療を予約する >








コメント