こんにちは。産婦人科SIOクリニック 院長の塩谷 茉智子です。
皮膚科に行ってもなかなか治らない、フェイスラインやあご周りの「大人ニキビ」。
当院のオンライン診療でも、この厄介なニキビに対して「スピロノラクトン」という内服薬を治療の選択肢としてご提案しています。
本日は、スピロノラクトンについてより詳しく知りたい方のために、お薬がニキビに効く「作用機序」や、気になる副作用、そして服用できない方(禁忌)について、医学的な観点から分かりやすく解説します。
根本的な原因とホルモンバランスの関係についてのコラムはこちら >
スピロノラクトンの作用機序(なぜニキビに効く?)
もともとスピロノラクトンは、高血圧やむくみの治療に使われる「利尿剤(体内の余分な水分を尿として出すお薬)」として開発されました。
では、なぜそれがニキビの治療薬として効果を発揮するのでしょうか?
男性ホルモンの働きをブロック
大人ニキビの主な原因は、ストレスや加齢によって相対的に優位になった「男性ホルモン」が、皮脂腺を刺激して皮脂を過剰に分泌させることです。
スピロノラクトンには、この男性ホルモン(アンドロゲン)が受容体と結びつくのを妨げる作用(抗アンドロゲン作用)があります。これにより皮脂の分泌が抑えられ、ニキビのできにくい肌の状態へと近づけていくことが期待できます。効果の現れ方には個人差があります。
ナトリウム排出による「むくみ改善」効果も
利尿剤としての本来の働きにより、体内の余分なナトリウム(塩分)と水分を尿として排出します。そのため、ニキビの改善だけでなく、生理前などの「むくみ」が軽くなったと感じる方もいらっしゃいます。
用量の考え方(25mg・50mgという規格について)
当院の用量と調整の考え方
スピロノラクトンの錠剤には25mgと50mgの規格があり、これを組み合わせて1日の服用量を決めます。当院では1日150mgを基本として開始し、効果の現れ方や副作用の様子、血液検査の結果を見ながら増減していきます。服用量が多いほど皮脂を抑える働きは強くなる一方、高カリウム血症などの副作用も出やすくなります。多めの量に不安のある方は、ご希望に応じて25mgや50mgといった少ない量から始めることもできますので、診察の際にお伝えください。自己判断での増減は避け、必ず診察のなかで調整させてください。
なお、錠剤の規格(25mg/50mg)や、先発医薬品「アルダクトンA」とジェネリックの違い、そして市販・通販では購入できないという入手ルートの話については、別のコラムで詳しくまとめています。
市販・通販の可否と、先発(アルダクトンA)・ジェネリック・25mgの違いはこちら >
知っておきたい副作用と「禁忌(飲んではいけない人)」
期待できる効果がある一方で、医療用医薬品である以上、副作用や注意点があります。
- 高カリウム血症: 最も注意が必要な副作用です。自覚症状が出にくく、進行すると不整脈につながることがあります。
- 頻尿・喉の渇き: 水分を排出する作用があるため、服用中はこまめに水分補給をしてください。
- 生理不順・不正出血: ホルモンバランスに働きかけるため、生理の周期が乱れることがあります。
- 乳房の張り・痛み: ホルモンへの作用によって起こることがあります。
定期的な血液検査が必須です
高カリウム血症は自覚症状に乏しいため、治療開始時と継続中に定期的な血液検査を行い、カリウム値と腎機能を確認します。検査を受けずに服用を続けることは、当院では認めておりません。体調に変化があった際は、速やかにご連絡ください。
以下に当てはまる方は、スピロノラクトンを服用できません。
・妊娠中、または妊娠の可能性がある方、授乳中の方
・無尿、または重篤な腎機能障害がある方
・高カリウム血症の方
※男児胎児の生殖器形成に影響を与える可能性があるため、服用中および服用終了後1か月は確実な避妊が必要です。
産婦人科専門医だからできる、トータルケア
スピロノラクトンの副作用として「生理不順」が起こる場合がありますが、ここが産婦人科専門医の強みです。
当院では、生理不順を予防し、さらにニキビ治療の相乗効果を高めるために、患者様の状態に合わせて「低用量ピル」の併用など、女性ホルモン全体を考慮したトータルケアをご提案できます。
医療広告ガイドラインに基づく表示
| 治療の内容 | スピロノラクトン(内服薬)。抗男性ホルモン作用により、過剰な皮脂分泌を抑制しニキビの改善を図ります。 |
|---|---|
| 未承認薬である旨 | 本剤は高血圧症、各種浮腫、原発性アルドステロン症などの効能で国内承認されていますが、ニキビ治療を目的とした使用は国内で承認されていません(適応外使用)。 |
| 入手経路 | 国内の医薬品卸業者より正規品を入手しています。個人輸入品は使用していません。 |
| 主なリスク・副作用 | 高カリウム血症、生理不順、不正出血、乳房の張り・痛み、頻尿、口の渇き、めまい など。リスク管理のため定期的な血液検査が必須です。 |
| 費用 | ニキビ治療目的での使用は自由診療(自費)です。詳細は診療案内ページに掲載しています。 |
お薬の料金・オンライン診療の流れはこちら >
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