世田谷区深沢の産婦人科、SIOクリニック院長の塩谷茉智子です。
妊娠したかも、と思ったらどうすればよいのか?妊娠したら出産までどんな流れになるのか?初めての妊娠で、わからないこと、不安なことはたくさんあると思います。患者さんにもよく聞かれるので、大体の流れを書いてみました。
まず、性行為があって生理が遅れていたら妊娠の可能性があるため、検査が必要です。一番手っ取り早く簡易的な方法は、尿で検査する妊娠検査薬です。(ドラッグストアにも売っていますが、クリニックでは医療用のもので検査を行います。)妊娠すると、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)という赤ちゃん由来のホルモンが母体の血液中に増えてきます。それが尿にも出てくるため、採血をしなくてもご自宅で簡単に検査できるというわけです。
しかしこの検査では、「妊娠しているかどうか」はわかりますが、「正常妊娠かどうか」はわからないため、注意が必要です。正常妊娠というのは、子宮の中の適切な場所に着床し、成長し続けている状態です。
ところが、正常ではない場所に着床したり(異所性妊娠・子宮外妊娠)、妊娠するも成長が止まっていたり、胞状奇胎などの異常妊娠の場合にも、妊娠検査薬は陽性になります。そのため、妊娠反応が陽性であれば、次に「正常妊娠か」を調べる必要があります。
正常妊娠かどうかは、経腟超音波検査で確認します。膣から細い棒のような検査機器を挿入し、なるべく子宮に近いところから超音波検査をすることによって、小さな赤ちゃんの状態や、子宮、卵巣の状態を詳細に確認することができます。適切な位置に胎嚢が確認できたら、何週かおきに検診し、心拍は見えてくるか、しっかりと成長してくれているか、流産の兆候がないか、などを確認していきます。大体4週くらいで胎嚢が見えてきて、7週くらいで心拍が確認できます。(もし望まない妊娠であれば人工妊娠中絶の手術となりますが、あまり週数がたってからの手術では体への負担が大きくなるため、早めに医師に相談しましょう。)
赤ちゃんがある程度の大きさになると、分娩予定日が決まります。分娩予定日とは妊娠40週0日のことで、最終月経日から妊娠アプリなどで計算できますが、実際は排卵が遅かったり早かったりして誤差が生じることがあるため、赤ちゃんの大きさによって修正し、最終決定します。分娩予定日が決まったら、産院の分娩予約を取ります。人気の産院ですと予約がすぐ埋まってしまうこともありますし、初期に受診が必要な産院もあるため、早めの予約がおすすめです。一部、分娩予定日が近くならないと予約が取れない産院もあったりと医療機関によって方針が違うため、ご希望の産院の指示に従ってください。
分娩予定日が決まったら、「妊婦健診」という形で検診になります。それに合わせてお住まいの自治体の役所に母子手帳をもらいに行って頂き、その時に割引券のような補助券も一緒に受け取れます。妊婦健診は保険が効かない自費診療ですが、自治体からの助成によってご負担が軽くなる仕組みです。
始めのうちは4週おき、その後2週おきになり、分娩が近くなったら1週おきに検診するのが通常ですが、妊婦さんによって検診間隔は変わる可能性もあります。(例えば双子の妊婦さんは、切迫早産など起こりえるリスクが増えるため、通常よりも検診間隔は短くなることが多いです。)
毎回行うのは、体重測定、尿検査、血圧測定、超音波検査です。その他週数や症状に応じて、採血検査や内診検査も行います。分娩が近くなると、NST(ノンストレステスト)という、胎児心拍と子宮収縮の検査も行います。これにより、切迫早産の兆候がないか、赤ちゃんが元気かどうかを確認していきます。
順調に満期となったら、あとは陣痛が来るのを待ちます。陣痛が来た時いつでもすぐに産院へ行けるよう、必要物品をバッグに入れてスタンバイしておきます。陣痛タクシーの申し込みなども事前にしておくと安心かもしれません。もちろん骨盤位(逆子)や前置胎盤など、予定帝王切開の方は陣痛が来る前に予定入院することになると思います。いずれにしても、産院の指示通りに受診していれば安心です。
ざっとこのような流れですが、本当に妊婦さんそれぞれです。妊娠中の母体や胎児の状態によっても変わりますし、里帰り分娩か、無痛分娩か、バースプラン(どのような分娩にしたいか)によってもスケジュールは変わってきます。
初めての妊娠で不安なことがたくさんあるかと思いますが、このコラムが少しでも参考になれば幸いです。
妊娠から出産までの流れ












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